火山情報


火山名 口永良部島 噴火警報(火口周辺) − 2016年6月14日18時00分発表

噴火警報・予報
2016年6月14日18時00分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台発表

火山名  口永良部島  噴火警報(火口周辺)

**(見出し)**
<口永良部島に火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)を発表>
 口永良部島では、引き続き噴火の可能性がありますが、昨年(2015年
 )5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は更に低下していると考えら
 れます。
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う大きな噴石及び火砕流に
 警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海
 岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
<噴火警戒レベルを5(避難)から3(入山規制)に引下げ>

**(本  文)**
[火山活動の状況及び予報警報事項]
 口永良部島では2015年6月19日のごく小規模な噴火後、噴火は発生していません。
 火映は観測されておらず、新岳火口の西側割れ目付近の熱異常域の温度も低下した状態が続いています。
 新岳火口付近の火山性地震は、2014年8月の噴火前よりやや少なく、また火山性微動は観測されていません。
 地殻変動観測では、新岳火口を挟むGNSSの基線長に、2016年1月頃から縮み傾向がわずかに認められ、5月以降は明瞭になり、2015年5月の噴火前から続いていた島の膨張状態が収縮に転じているとみられます。
 また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1月以降は1日当たり50から200トンで、2015年5月の噴火前後より大幅に減少した値で経過しています。しかし、2014年8月の噴火前よりはやや多い状態です。
 これらのことから、引き続き噴火の可能性がありますが、2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は更に低下していると考えられます。
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。

[対象市町村等]
火口周辺警報:入山規制等(引下げ)
 鹿児島県屋久島町

[防災上の警戒事項等]
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

**(参考:噴火警戒レベルの説明)**
【レベル5(避難)】:危険な居住地域からの避難等が必要。
【レベル4(避難準備)】:警戒が必要な居住地域での避難の準備、災害時
     要援護者の避難等が必要。   
【レベル3(入山規制)】:登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制
     等。状況に応じて災害時要援護者の避難準備等。
【レベル2(火口周辺規制)】:火口周辺への立入規制等。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規
 制等。
(注:避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる)

※「噴火警報」は、居住地域や火口周辺に影響が及ぶ噴火の発生が予想された場合に、予想される影響範囲を付した名称で発表されます。
※噴火警報(噴火警戒レベル4以上)及び噴火警報(居住地域)は、特別警報に位置づけられています。
※「噴火予報」は、噴火警報を解除する場合や、火山活動が静穏(平常)な状態が続くことをお知らせする場合に発表されます。
※「火山現象に関する海上警報」は、噴火の影響が海上や沿岸に及ぶ恐れがある場合に発表されます。